黒帯での修行が始まりました。
初段試験と合格発表は三か月前も前の事でしたが、その後にコロナ第二波発生。
緊急事態宣言が各都道府県で発令され、我が道院も再び自粛期間となり三週間ほど停止した。
そして緊急事態宣言が解除され修練再開したのは良いが、盆休みだの、学校の行事で体育館(道院)は使えないだのと、修練稼働日は少なかった。
さらに、
同門のKさんが近々、二段の試験を控えており、そのためのおさらい稽古の相手をしばらく集中的に組んでいた事もあり、二段の技の習得練習が始まったのはごくごく最近になってからです。
まあ、別に急ぐ道でも無いし、むしろ、おさらい稽古は大事な修行なので全然ウェルカムです。
それに、Kさんには僕の試験前にずいぶん相手をして頂いたので、持ちつ持たれつというところです。
そんなスロースタートを切った二段へ向けての修行ですが、思った通り、戸惑いから始まるものであった。
黒帯の洗礼!恐怖!外巻天秤!早々に怪我!肘損傷
このタイトル通り、修練中に肘を怪我をしてしまいました。
まずは黒帯の修練体験を記載しつつ、怪我に至るまでの経緯を説明します。
黒帯の技はちょっと複雑怪奇
これから二段の技を一つ一つ習っていくわけですが、期待した通り、一筋縄で修得できません。
初っ端から、んん?と、覚えにくい動き方をする技ばかりです。
例えば、一番最初に覚える技「開身突(かいしんづき)」。
簡易的な説明になるが、これはその名の通り、相手の突き攻撃を身体全体で開いてかわし、さらに相手に突きを食らわす。
これをド速く発動する。
要するに、超速攻のカウンター攻撃なのだ。
これがなかなか難しい。
相手の攻撃を普通にかわすだけではダメなのだ。
乱構(みだれがまえ)の姿勢から身体を開いて相手の突き手をかわす。
ほぼ同時にその突き手を封じる。
封じるのと同時に、相手に突きを食らわす。
言葉にするとその難易度は伝わりにくいと思うが、
要所要所のポイントを押さえながら、正しい繰り出し方を覚えるには何度も自主練と修正が必要になる。
もう一つ例を挙げるならば、「対天一」。
えーと何級だったかな?「突天一」という技があったが、それの類似技です。
「突天一」は開構から始まり、相手の上段突を前側の手で上受することから始まるが、
「対天一」は対構から始まり、後側の手で上受をする。
これも文章だけ読めば、たったそれだけの事?
と思うかもしれないが、実際にやればそのややこしさに戸惑いを感じるはず。
ついついクセで、前側の手で相手の突きを受けようとしてしまう。(汗)
さらに厳密に言えば、この「対天一」は「突天一」と違って、
相手の突きをガチンコで受けをすること自体、あまり正しいとは言えないのだ。(突き詰めれば突天一もそうなるが)
正しいのは、相手の突きを体裁きでかわすことが前提で、上受をする手は避けた顔を念のためにガードする役割である。
然るに、相手の突きをした腕と、それを避けた顔の間に、上受っぽい動作をしながらその手で壁を作るイメージ。
・・・・まあ、文章にすると
?????????????
でしょうけど。(文才無いので・・・)
きっと、修練すれば皆分かってくれるはずです。(笑)
とまあ、いろいろとややこしいですが、
そんな困惑するような技は一つだけではありません。
似て非なる技がいくつもいくつも出てくるので、余計に頭の中がごちゃごちゃになりがちです。(汗)
二段科目の技は、数にしたら全体の1/3ぐらい習いましたが、何度練習してもなかなか体に染みつきません。(ドンくさいので・・・)
んが、難しいけど面白い。
いや、
難しいと感じる事から始まるから面白いのだ。
練習を重ねればいつか出来る事は分かっているので、目標に向かって努力する面白さがここにはある。
努力に対して結果が伴わない、という事が無いのが少林寺拳法だと思っています。
・・・今のところは、としておきます。(笑)
目指せ!段拳士ならではのレベル
先ほど、突天一の受けはガチンコで受ける、と書きましたが、それは級拳士までの話みたいです。
級拳士と段拳士の違いは持ち技の数だけではない。
技のキレも段拳士に相応しくなければならない。
と教わりました。
先に言っておきますが、
今から僕が述べる事は、僕自身まだ全く出来てません。
ちょっと偉そうに書いてしまいますが、自分の将来像を思い描いているというところです。(笑)
さて、
基本的に、相手の攻撃は体裁きでかわす事から始まる。
まあそれは級拳士の時から言われていた事ですが、分かっていてもついつい反射的に手で払ってしまいます。
いや、
手でバシ!と、ガチンコで受けや払いをすることで、どこか「キメた感」があり、自己満足的なところがあります。(分かるかな?)
しかし、この考え自体がトーシロー(素人)なんですね。
ケースバイケースでそういう時もありえますが、なんでもかんでもそれをやると自分の消耗になるだけでなく、次の動作に遅れが生じるんです。
級拳士のうちはそれでもまあいい、という空気はありました。
段拳士でそれはありえない、というところです。
- 相手の攻撃はかわす、もしくは避ける
- 受け、払いは相手の攻撃の軌道をそらす、もしくは二段攻撃に備えるため
これが基本です。
さらに、攻防一体であることも段拳士の必須スキルです。
級拳士のときの防御と攻撃は、イチ、ニ!というちょっとダンス的なテンポです。
例えば、内受突。
級拳士の繰り出し方は、
イチで相手の攻撃を内受する。
ニ!で中段突をする。
こんなテンポです。
段拳士の内受突は、
イチニ!てな感じで内受と中段突が終えているスピード。
もうほぼ同時の繰り出し。
これが自然と出来て当たり前なのが黒帯なのだ。
もちろん、そんなスピードで繰り出した中段突もただの手突きではなく、「当身の五要素」もちゃんと実行されてなければならない。
少林寺拳法は基本的にスピードで勝負する格闘技。
パワーに頼らない体術である。
その道のりは果てしなく遠いけど、黒帯になった以上、相応の技術と志を持って取り組むのが黒帯としての義務かと。。。
くどいようですが、僕はまだ全然ですからね。(汗)
恐るべし外巻天秤!肘が痛い
二段科目の技の数は果てしなく多い!
科目表をパラパラめくると、
え~!こんなにあるの!?
と、めまいがします。(汗)
今まででも多いと感じていたが、
この二段の科目数を見ると、今までが屁みたいに思えてきます。
・・・三段科目もちょっと見てみたが、これまた凄い数。(汗)
覚えきれるかしら?
初段合格後、二段の試験を受けるためには一年の修練期間を経ることが受験資格の条件である。
この科目数を見れば、そりゃそうだ、と納得。
しかも、技を覚えるだけでなく、ある程度の完成度まで練り上げねばならない。
さらに、今まで習った級科目の技も何度も練習して、黒帯に恥じないぐらいの完成度に磨かねばならない。
そう考えると、一年では足りない気がしてきた。(汗)
とりあえず、今は一つ一つを全力で取り組むしかない。
さて、いよいよここで悪魔の技「外巻天秤」の登場です。
この先もっと恐ろしい技が出るでしょうけど、これが初めて恐怖を感じた技です。
外巻天秤は科目表の順番でいくと最初の方に出てくる技ですが、一度目は修練の時間切れでさわりしか教わることができず後日になった。
なんかの都合で別の技から教わることになり、後日の後日でようやく本格的に教えてもらうことになった。
この外巻天秤は道院長直々に体を張って教えてくれた。
とてもありがたい事なんですが、今回ばかりは道院長の熱心さが仇となった。
外巻天秤は逆小手の変化技。
逆小手をかけようとしたら、相手がそれをさせまいと腕を伸ばしたところを逆手にとって、天秤で投げ倒すという技。
少林寺拳法の技はご存知、技を体得するためには、自分が何度も技をかけられて痛い思いをしなければなりません。(汗)
この外巻天秤はかなり危ない。
加減をしたとしても怪我に繋がりやすいと言える。
いや、
天秤技自体、どれをとっても非常にリスキーである。
天秤とは、テコの原理を利用して相手を投げたり固めたりする総称です。
なので、天秤は正確無比であるほどに相手の動きを封じやすく、さらに力を込めるほど相手のダメージは計り知れないものになる。
なので、他の技よりも余計に力加減が必要であると考えます。
ウチの道院長はさすがというべきか、どんな技でも瞬時に正確無比に決めます。
まあ僕みたいな素人が言うのもなんですが、その技のキレはもはや芸術の域で、センスの塊のような方です。
体型的には普通体型でそんなに筋肉質ではありませんが、筋骨の密度は高そうです。(笑)
そんな道院長、僕に外巻天秤をかけてくださいました。
原理と細かいポイントを説明するために、投げる前の、腕を掴んだ状態の姿勢でストップ。
僕はあわれな恰好のまま、道院長はあれこれ説明してくださいます。
んが、その時点で僕はかなり痛い。(汗)
外巻天秤の最大のポイントは腕のつかみ方と投げ方。
天秤はテコの原理を利用しているので、作用点、支点、力点が存在することで初めて効果を発揮します。
作用点:僕の腕の付け根。
支点:道院長の腰の横あたり。
力点:僕の掌。道院長の両手で握られている。
ただし、力点(道院長の両手)だけで投げるわけではない。
支点(道院長の腰)も同時に突き出すことで、より小さな力でも大きな人間を投げることが可能なのだ。
しかも、僕の手は外側に捻(ひね)られながら腕はピンと伸ばされているので、どうしようもできないだけでなく、クソ痛いのなんの。(汗)
一通りの説明が終わり、僕は投げられたが、この投げ自体は最弱にしてくれた。
それを境に肘が痛くなったわけだが、その日はそこまで痛いとは感じなかったので、軽く修練は続けた。
が、その日の就寝時間になって痛みが酷くなってきた。
整形外科で受診
あれから2日経つが、痛みが少し緩和した。
が、思ったほど緩和せず、痛みは一定レベルを推移したまま。
なにぶん非日常的な動きで痛めた肘なのでちょっと心配になってきた。
よって、近所の整形外科で受診することにした。
もし、骨に異常があるようであれば早いうちに何らかの対応は必要であろうから。
この整形外科はテニス肘(上腕骨外側上顆炎)の治療でやっかいになった病院。
このテニス肘の症状、今でも根本的な解決に至っておりません。
腕に注射をすることで痛みを消してますが、その持続期間は5か月前後。
その度にここへ来て注射をしてます。
実はこのテニス肘の痛み、2週間ぐらい前から再発し出していたが、まだ大した痛みではなかったので、1~2カ月後ぐらいに注射をしに行こうと思っていました。
なので、今回の受診でついでに前倒しという形で注射をしてもらおうかと。
ちなみに、テニス肘は右肘。
今回、損傷した肘は左肘です。
これで僕は両肘ともイタイイタイです。(汗)
さて、今回損傷した左肘。
先生に触診してもらって、痛みの部位は橈骨であると診断。
とりあえず定石通り、レントゲンを撮ることに。
骨には異常が見当たらないとの事。
まずは一安心。
おそらく腕橈骨筋(わんとうこつきん)の損傷だと思うけど、確実に調べるならMRIがオススメとの事。
どうしますか?と問われたが、しばらく様子見してから判断すると伝えた。
なにぶんMRIは1万円ぐらいかかるだろうから、そう簡単にやるとは言えない。
ちなみに、テニス肘への注射は持ち越しになった。
前回注射を打ってからまだ3か月過ぎたばかりなので、もう1~2カ月後の方が好ましいとの事。
ロキソニンテープをもらって帰ることにした。
馴染みの接骨院に
あの出来事から5日経った。
今日は修練の日。
両肘とも痛いが、滅茶苦茶痛いわけでもないし、軽めにやれば大丈夫そうである。
なので、修練に参加しました。
道院の皆さんには状況を説明してある。
道院長は謝罪していたが、まあ格闘技を習う以上、しょうがないことだ、と仰る。
確かにそうだと思うが・・・
第三者がそれを言うならまだしも、怪我を負わせた人がそれを言うのもどうよ?(汗)
それはさておき、
まあ確かに、少なくとも僕が今まで知り合った格闘技経験者で怪我ゼロ継続なんて聞いたことない。
何かしら関節を痛めた経験があるものである。
ウチの先生、先輩方の中には男女を問わず、肋骨を折った経験もあると言う。(お~怖っ)
まあ、
しかし、それは20代30代の若い頃の経験談であって、中年になってから怪我をしたという話は聞かない。
僕は立派な中年ですが、まだこの程度の怪我で済んで幸いかも。
この歳で、しかも家庭持ちで骨折なんてシャレにならん。
仕事に支障が出て収入が下がる事になろうものなら、家族から総スカンを食らうのは必至。(汗)
てな感じで、左肘をなるべく庇いながらの修練を行った。
んが、全く動かさず、というのは不可能なので、多少なりとも動かさざるを得ません。
その日はやんわりと修練した。
んが!
就寝前になって痛みがぶり返してきた!
やべー・・・明らかに悪化している感じ。(汗)
翌朝も痛みは引かない。
どうやら、軽く動かしてもダメなようだ。。。
すぐに炎症するみたい。
これはもしかしたら、損傷個所は筋肉だけではないのでは?
じん帯までいってないだろうか?
もちろん切れてはいない。
じん帯が切れていたら痛みはこんなもんでは済まないはずだし。
正確に知るためにはMRIかCTを撮らないと分からないが、だからと言ってまだその手は使いません。
せめて、一か月は安静にして、それでも痛みに変化が無ければ撮ろうかな。
ということで、僕はしばらく修練を休むことにしました。
完全に治ってからじゃないと、永遠に治らん気がするので。
残念!
それまでの間は、久々に僕の馴染の接骨院に通うことにする。
テニス肘、ヘルニアでも世話になった接骨院です。
院長の診断は、この前行った整形外科の先生とほぼ同じだが、もっと具体的に説明してくれた。
強い力で腕を引っ張ると、子供の場合は肘抜けといって、肘が簡単に外れてしまうことがあるらしい。
大人になると橈骨頭にロックがかかったような骨が形成されるので、肘が外れることはまずない。
しかし、逆にそれが仇となって橈骨近辺の筋肉や神経に大きな負荷がかかる。
僕の場合はそれプラス、外巻のねじれがかかっているため相応の炎症になっている。
ただ、じん帯までいっているかどうかまでは触診だけではさすがに不明である。
とりあえず、電気を流して、マッサージ的な施術をしてもらう。
その後、腕に湿布とエルボーバンドをしてもらう。
しばらく、定期的にここに通う事になります。
この接骨院での治療費はスポーツ保険を使います。
毎年2000円ぐらい払って加入していたことを思い出した。
道院長に許可を得て手続きしてもらいました。
僕はスポーツ保険というものを生まれて初めて使います。
忘備録として概要を記載します。
- 下りる保険金は1回につき一律1500円
- 計30回まで
- 治療費がいくらかかろうが1500円以上は出ない
- 治療費が1500円以下でも、例え1000円でも1500円出る
シンプルですね。
あくまでこの保障内容は我が道院の場合です。(少林寺はどこでも一緒なのかは不明)
保険が下りるのは助かる。
一回一回は安くても、積もれば高額ですからね。
まとめ
というわけで、
しばらく僕は修練をお休みということになったわけですが、これはストレスだな~。
多少の怪我なら続行するところだが、僕の直感的にこいつは完治してからやらないと被害が拡大するような気がした。
しかし、今回、大事をとる理由は今後の少林寺拳法のことだけではありません。
来年1月にスキー旅行を計画しているので、それも念頭に置いているからです。
このスキー旅行計画は既にボウズらには話しており、それはそれはもう楽しみでウキャキャ!ウキャキャ!と毎日のように大はしゃぎ。(汗)
正直、これほどまで楽しみにされるとは思わなかった。。。
まあ、このコロナ自粛生活のせいで今年は全く旅行に行けてないから、その湧き上がる気持ちは分からんでもないけど、まだ三カ月も先の話だぞ。(笑)
これで、旅行に行けなくなった、なんてとても言えません。
そんなわけで、僕は何が何でも旅行までには完治していないと困るのだ。
話が逸れてしまいましたが、
格闘技を長く習う以上、怪我は隣り合わせです。
特に関節。
肘、膝、腰、肩、首は要注意です。
実はワタクシ、膝もちょっとよろしくない。
私生活に支障は無いですが、スポーツとなると不安感があります。
以前に膝を痛めた事がありますが、それからというもの、膝に耐久性が無くなってしまった感じ。
→ 左膝の痛み戦記① 半月板損傷?ただの炎症?ランニングの危機!
少林寺拳法だけではないと思いますが、格闘技において膝の健康さは何よりも財産です。
体術において、膝の繊細な曲げ角度と荷重を支え続ける耐久性はとても重要です。
なので、僕みたいに体重増加は致命的。
もともと太る体質ではないですが、中年太りは誰にでも等しく襲ってきます。
しかも、想像の上をいきます。(汗)
自己管理しなきゃ。
どちらにしても、関節というのは歳と共に衰えやすい。
年齢が若ければ関節も強いし、怪我したとしても回復も早いので特に心配することもないでしょう。
なので、若い人は今のうちにやれることをやっておいた方が得策だと言えます。
やり過ぎ注意ですが。
ああ、少林寺やりて~。(変態?)
早く回復しないかなー。
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